ニューヨーク・タイムスはいかにSEOで成功を収めたか:ウェビナーからの4つの重要ポイント

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出版業界でニューヨーク・タイムス(NYT)は世界的なアイコンであり、高い評価を受けると共に、編集のすばらしさと信頼性で知られています。NYTは、新聞としてのブランドから世界規模のオンラインニュースサイトのひとつになりましたが、デジタルプレゼンスの維持や、オーガニック検索での上位獲得がこれまでも、そして今後も必要な活動です。同社がどのように取り組んでいるのか、ニューヨーク・タイムスのSEOディレクターChristine LiangとWordPress IVPの事業開発ディレクターRyan Sholinとウェビナーを開催しました。

ニューヨーク・タイムスはいかにSEOで成功したか」はオンデマンドでご覧頂けます。これは、技術的なSEOの重点範囲や編集アラインメントからプラットフォームのスケーラビリティ、大規模イベントの管理までに及びますが、本記事では出版社がウェブでできる点の4つに絞ってご紹介します。また、ライブでは対応できないほど多くの視聴者からご質問も頂き、ウェビナー後にChristineが回答してくださった内容も含めてこの投稿に記載しています。

第一に技術的基礎 「確かな技術的基礎をまず固める必要があります」

Christineは、ウェブサイトの健全性を非常に重視しており、クロールバジェットの最適化には非常に意識的です。クロール時のステータスコードを見て異常を発見したり、リダイレクトのループやチェーンを除去することなどが、大きな成果につながっています。アーカイブされたコンテンツの管理とクロールバジェットへの影響について、Christineは次のように述べています。「Googleは、ほとんどの場合、新鮮なコンテンツのクロールを優先することに長けています。特にニュースの世界では顕著です。古いコンテンツを削除したり、クロールされないようにブロックすることは、報道上の問題があるためできませんが、Googleが新しいURLをいち早く発見できるように最善を尽くしています。多くの記事がリンクやプロモーションに埋もれてしまいますので、これらは最善の手段だと言えると思います。

出版社のSEOは、変化に対応することが重要であり、その中心となるのがGoogleとそのアルゴリズムの変更です。「アルゴリズムの更新は、徹底的に監視しています。モニタリングの規模をもっと大きくしたいと考えていますが、今は社内外のツールを活用して、検索状況のゆらぎを注視しています。過去を振り返っても、Googleのインデックス作成のバグや不具合は、コアアルゴリズムアップデートよりも影響が大きいようです。」 権威と規模で知られるNYTのような出版社ウェブサイトの本質から言っても、小さいバグがコアアップデートよりもウェブサイトに重大な影響をもたらすということはうなづけます。NYTは、質の高いコンテンツの価値を常に優先してきたサイトの模範的な例であり、近年のコアアップデートはすべて、その価値の提供と、結果を出すことに重点を置いています。

サイトマップの役割は今でも大きい

他の業種では、サイトマップは一度設定すると忘れられがちです。NYTのChristineとチームは、今回のウェビナーで、サイトマップを最適化することで得られる価値と利益、つまりドメイン内に多数のURLが存在する結末について強調しました。彼らは、どのようなコンテンツがあり、それをサイトマップにどのように配置するのが最適なのかを時間をかけて検討しました。「完璧な」サイトマップとはどのようなものかという質問に対して、Christineは、「サイトの構造によります。私たちの場合はコンテンツの種類ごとに分けたことで、管理のしやすさが増し、チェックしやすくなりました」と話しています。
注意していないと未知のエラーが発生する可能性があるため、企業向けウェブサイトのサイトマップメンテナンスは重要です。NYTに入社して間もない頃にChristineが気づいたことは、サイトマップの問題でした。「技術監査の結果、XMLサイトマップが完全ではなく、200番台の状況コード以外のURLが多く含まれていました。また、Googlebotがこれらのファイルに何度もアクセスしていたので、スパイダーリンクの無い、有効なURLを提供し、クロールとインデックスを改善することが最重要課題でした」。NYT規模のウェブサイトでは、このような変更がウェブサイト全体の健全性に目覚ましい影響を与えることがあると言います。

企業組織横断的なSEO

どのような組織においても、SEO担当者は、そのように定義されているかどうかに関わらず、部門横断的な任務を負います。NYTでは、検索チームはエディトリアルパートナーと共に視聴者チームの一員ですが、エンジニアリング、製品、マーケティング部門などとの協業が基本です。

「SEOチームは7人で構成されています。そして随時、チームに配属されるサポートメンバーがいます。扱う業務が多くなった時や、人手が足りなくなった時などに助けに来てくれるのです」
– Christine Liang

 

すべてのチームメンバーはロードマップやプロジェクトの優先順位を決めるために、Christineにインサイト(洞察)を求める一方で、Christineは、SEO担当者以外に対しても、自分の役割がオーガニック検索に与える影響を理解できるように、組織全体で教育を行うことを提唱しています。編集部をはじめ、全員が同じ方向を向いていることが成功の鍵です。NYTのSEOチームには7人しかいませんが、彼らは常に編集スタッフと密接に仕事をしており、組織内での管理の重要性を理解しています。「チーム内のSEOエディターは、ニュースルームを納得させるすばらしい仕事をSEOで行っています。トレンドメールを送ったり、まとめのメモを送ったりして、全員が情報を得て、これらのインサイトに基づいて行動できるようにしています。特にその日最大の結果を出したニュースストーリーについては重要です。人は成功の話を聞くのが好きです!つまり、現在進行中のフィードバックループというわけです」とChristineは話します。
この戦略は、製品あるいは開発者チーム横断的に、テクニカルSEOを優先してもらう場合にも有効です。

エバーグリーンコンテンツは常に有用

多くの出版社で戦略の支柱は、アーカイブコンテンツを最大限に活用することです。NYTでは、ニュースサイクルを勝ち取ることは重要ですが、エバーグリーンコンテンツからエンゲージメントを促進することも2021年の重要な戦略であり、その戦略を成し遂げるためには編集チームとの綿密な協調が必要です。「記事の更新は、読者のためにコンテンツを最新かつ正確に保つために不可欠です。また、記事の更新が、ランキングの向上や検索上位の確保、競合他社との競争に大きな役割を果たしていることを編集部は実感しています。その理由は、SEOチームが常に編集者と連絡を取り合い、パフォーマンスの最新情報やポジティブな結果を伝えていることだと認識しています。このような緊密な連絡は、編集者にとって百聞は一見に如かずと言った効果をもたらしているようです。」
また、エバーグリーンコンテンツの更新を、より広範なコンテンツカレンダーに組み込むことで、組織の作業計画を正確に行えるようになります。例えば、年間を通してどのようなコンテンツを更新するかをカレンダーにしておけば、新しいコンテンツの開発にも、古いコンテンツの調節や現在の検索意図に合わせた最適化と同等に注意を払うことができます。

 

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